1章:土地が見つかった

      2015/03/22

登場人物: パパ ママ Y不動産

 

あれから約1年。長男が誕生し子育てに没頭している2011年9月の雨の土曜日の朝。

天気が良ければドライブにでも行こうかと思っていたが、あいにくの雨。少しゆっくり朝食をすませ新聞広告を見ながらママが質問してきた。

 

「ねぇパパ。 この土地ってすぐ近くじゃない? 3丁目ってここらへんでしょ? どこかわかる?」

 

「どれ?これ? この写真だけじゃわからないよ。でも確かに3丁目だね。雨がやんだら散歩しながら探してくるよ。」

 

せっかく出かけようと思っていたのに、今日はダラダラだな。午後から買い物に付き合い晩酌のつまみでも物色しようかと思っていた。昼食を食べ終わる頃には雨も上がり、ママと約束してしまった広告の場所を探しに散歩することにした。

 

電信柱と道路の位置関係から角地であることと、今建っている家の雰囲気をチラシの写真で確認しながらだったが、そんなに時間がかからずにして物件を探しあてることができた。

ほう。。けっこういい場所じゃないか。。更地渡しって書いてあったからこの家は壊すんだな。東南角地。大通りから1本中に入っているからなのか、車の通る音はびっくりするほど聞こえない。

しかも、今住んでいる場所から徒歩1分とかからない。さっそく自宅に帰りママを連れてこようと思った。この時は、わずか3日後にこの土地を契約するなど考えてもいなかった。

 

「ねぇママ。 わかったよ土地の場所。すぐ近く。うちの前の道路挟んだ向こう側。2階のベランダからだったら屋根が見えるかなぁ? ちょっと見に行くかい?」

 

「えぇっ? そんなに近くだったんだ。だったら行くよ。」

 

天気が良ければ筑波山あたりまでドライブを楽しもうと思っていたのに。雨が降ったおかげでチラシをじっくり見ることが出来た。何よりママはチラシを見るのがが大好きである。それがきっかけでその日の午後はてんやわんやの事態になってしまった。

こんなに近くだったら、生活環境は全く変わらない。賃貸からマイホームへ。さっそく販売元のY不動産に電話してみた。

 

「あのう。今日のチラシを見てお電話したのですが。3丁目の物件です。」

 

テキパキと受け答えをしたくれた男性は、

 

「あの土地はすぐに売れますよ。ご近所さんからの問い合わせも早速頂いてますし、申し込みもすでに頂いております。2番目の申し込みということであれば受付できますが・・・・・」

 

「そうですか。わかりました。ありがとうございます。」

 

せっかくマイホームの事で盛り上がったのに一瞬にしてしぼんでしまった。でも、いい場所だよなあの場所。やっぱりマイホームは北海道だな。とパパ。

 

とは、思いながら、土地1760万 建物2240万 合わせて4000万。何とかなりそうな気がする物件であり、ダメとなればいっそう残念で余計欲しくなる衝動に駆られた。

晩酌のつまみを買いに行こうとしていたところ、さっきの不動産会社から電話が鳴った。

 

「先ほどの土地の件ですが、1番目の申し込みをされている方は法人でして、稟議をまわす都合上、結論出しまで時間が少しかかるとのことなんです。

もし、結論を出して頂けるのであれば、1番目の申し込みをしている法人様に連絡して事情を説明します。売主様の事情もありまして、売却を急いでおられます。

ご購入できる確率は高いと判断してご連絡しました。ご検討頂けますか?」

 

「は、はい。でも、特に急いで土地を買う必要もないですし、実際今朝のチラシをたまたま見て電話しただけですから。」とパパ

 

「でも、いい場所と思いますよ。欲しいとは思いますが・・・ 車買うのも迷うのに、土地を買うのに今日の明日で即結論とは・・・」

 

少々腰が引けてしまったが、相手も商売である。すぐに家に来て下さるとのことなので、とりあえず晩酌のつまみは後にして営業マンを待つことにした。30分も経たない間で営業マンの方がインターホンを鳴らした。

 

早速、土地の詳細の説明を受けた。話が膨らんだ。今の家賃より少ないくらいであの土地に家が建てられる。坪単価60万を基準にすると37坪くらいの家は建つ。

 

多少の自己資金はある。夕方まで話は続き、夕飯は結局冷蔵庫の整理をすることになり、さらに明日の日曜日は土地の購入を真剣に考えなければならない状況下におかれてしまったのである。

当然、酒など飲んでいる場合ではない。

 

翌日曜日。昨夜遅くまで家族会議を開いた結果を不動産会社に伝えた。不動産会社は1番目の申し込みの法人に早速連絡をして事情を説明したとの報告を受けた。

 

結論を出さなければならない状況になってしまった。確かに不動産はタイミングでありめぐり合わせである。3丁目の中で東南角地は数件しかない。その一つがたまたま出てきた。

 

それをたまたま見つけてしまった。ただそれだけである。でも、これを逃したら、同じような条件でこの金額の土地が出てくるかといったらおそらく出てこないだろう。

 

客観的に考えても買うしかないだろう。しかも、一度断念した物が手に入るチャンスがあるかもしれない状況である。心理的には不動産会社に軍配がある事など百も承知だ。

 

土曜日の朝にチラシを見て、午後見に行って、夕方検討して、次の日買う事を決める。普通に考えたって1760万を即決で決めらるはずなどできやしない。でも、決めなければこのチャンスを逃すことになる。

 

結局、法人の連絡を待ち、申し込みを取り下げてくれたら購入する意思を伝えた。

 

翌月曜日に不動産会社から連絡があり、1番目に申し込んだ法人さんが申し込みを取り下げたとの連絡を受けた。よって我が家が購入することになった。

 

そして火曜日。契約書を取り交わした。わずか4日間の出来事であった。

 

さて、土地の契約をしたわけだが、同時に融資してもらう先を決めなければならない。当然初めて知ったのだが、銀行は融資を実行する際、本当に家を建てるのかを確かめなければならない。

 

また、支払う能力があるかも確かめなければならない。更に土地の契約書と建物の二つの契約書が必要になる。

 

まず最初の不安が、いくらまで融資をしてもらえるかである。融資のの枠が少なければ自己資金を投入しなければならない。

 

土地の契約を交わした際に、融資の実行ができない場合はこの契約は無効となる との一文を明記するようアドバイスをもらった。それが無ければ、万が一融資の実行が不可能な場合でも違約金を支払う事になるからである。

 

ということは、これから急ピッチで建物を建ててくれる頂く会社と契約を交わさなければならない事になった。融資が実行されなければ、売却を急いでいる土地の売主さんにお金を支払う事が出来ない。

 

建築会社をいつまでに決めなきゃならないの? 融資をしてもらう先はどこにするの?

 

土地の契約をした瞬間、次に待ち受けていたのはこれらを解決しなければならないことだった。

M家のマイホーム物語

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